JOTK~NHK松江放送局の移転に思うこと

2023年3月8日




NHK松江放送局の放送会館

KAY2が子どもの頃、遠足でNHK松江放送局を見学したことがありました。

その頃の放送局というのは時代の最先端。

そこに遠足で行けるというのは本当にワクワクドキドキ、前日は眠れなかったような記憶があります。

そして訪れた時の記憶は鮮烈です。

スタジオなどを見せもらいましたが、まさに夢工場!

当時ニュースや番組などに使っていたテロップを焼き付けたカードのような物を見たときも、それを映し出すしくみを教えてもらいドキドキしたのを覚えています。それを記念にともらった同級生が羨ましくて!!(^^;)

とにかく、時間があっという間に感じられるような体験でした。

局舎(放送会館とNHKでは呼びます)は宍道湖の殆ど湖畔とも言える場所に位置していることもあって、宍道湖の風景に溶け合っていました。

山陰本線の車内からも見ることが出来て、それ以来、局舎を見るたびにワクワクしてしまう、憧れの存在となりました。

部活の大会や様々なイベントで、県庁所在地である松江に行く機会があるたびに、この建物を見、ますます憧れを大きくしていました。

そうそう、その頃土曜日の午後に放送されていたFMリクエストアワー!

全国それぞれの放送局で制作されていたローカル番組ですが、松江の場合は司会を担当していた西村大介アナウンサーが大人気。伝説的な逸話が数々あります。当時の若者や小・中学生の憧れの人でもあり、そんな人がいる局舎、ますます輝いて見えたものです。ラジオから流れる「JOTK-FM」というコールサインのアナウンスを聞くたびにときめいていました。

1960年代に建てられた建物、当時の時代の面影を強く残していますし、全体に柔らかで清楚な感じもあり、例えればまるで宍道湖に浮かぶ白鳥のよう。なかなかに味わい深い姿です。

社会人になってからも、この局舎を仕事で訪れることがありました。

大人になっても、やはり心がときめくんですよね。

永遠の憧れの存在!

全国にあるNHKの他の放送会館も訪れましたが、このようなワクワク感を覚えることはなかったように思います。やはり、松江放送局は特別な存在だったんです。

その局舎もすでに建てられてから50年以上経つために移設することに。

先日松江を訪れた際にはすでに隣に新局舎が竣工していました。現在は来月からの運用に向けての準備中のようです。
https://www.nhk.or.jp/matsue/station_info/shinkaikan/pdf/20230201.pdf

新放送会館は全体にシャープな印象です。こちらは落ち着いた雰囲気でとてもカッコ良い現代的なデザイン。でも、個人的には長年親しんだ現在の局舎への思い入れが強く、今後、建物が消えても、宍道湖の風景とともに、ずっと心に残る一種の原風景になるのでしょう。


3月6日から運用が始まる新放送会館

余談ですが、歴史を遡れば1967年以前、NHK松江放送局は床几山と言う小高い場所に局舎がありました。Wikiに当時の写真が残っています。(https://commons.wikimedia.org/wiki/File:NHKmatsue1940.jpg)

そちらは「床几山荘」という名前で国民宿舎としてその後も局舎の一部が利用されていたことから、社会人になってから研修で利用したことがあります。

今、この文章を書きながら突然に思い出したのですが、放送局というのは独特の共通の「匂い」のようなものが感じられて、その匂いには子どもの頃から今に至るまで、なぜか強く魅せられるものがあります。研修が終わり、その「床几山荘」の中を歩いていたら、突然その「匂い」が!

その瞬間、先輩から「この部分は以前は放送局だったところだよ」と教えられ、驚いた記憶があります。

「床几山荘」のことを調べてみたのですが、Googleなどで検索してもネットでの情報はわずかです。こうして個人のわずかな記憶でも書き記しておくことも大切かもしれませんね。


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