池袋でコンサートや観劇あとにぴったりのビストロ「Plumier(プルミエ)」を知る




左にまだ雪が残っているのが見える

2月のある日、はじめて訪れました

お店を知ったきっかけはコンサート

先日「キッサカバ」の記事(こちら)でもちょっとふれたのですが、このところ池袋でコンサートが何度かあり(都民芸術フェスティバルです)、そのあと、せっかくなのでその近所でゆっくりと食事し、ビジネスホテルで1泊して帰るという、ちょっと贅沢なことをしている我々。

若い頃は食事した後でも電車で帰っていたのですが、体力的にきつくなってきたこともあります。

もう何十年も通っている池袋でのイベントなのですが、かつては「シェ・キーボー」というとっても素敵なビストロが会場近くにあり、よくコンサート後に通っていました。南仏のワインの素晴らしさを教えてくれたのはこのお店でした。

同じような素敵なお店がないかと探した時期もあったのですが、その頃はなかなかヒットせず……。

ふと、今回、あれから何年もお店を探していないことに気づき、改めて探してみたら興味深いお店を何軒か発見、その一つがこのお店だったんです。

ネットなどの評判が凄く良いのです。しかも、グラスで飲むワインが充実していて、常に十種類くらいあるようです。これはいいですねぇ!

アクセスを……と地図を見て驚きます。芸劇(東京芸術劇場)のすぐそば!そっか、今までホールから駅の方向を見ていたから気づかなかったんですね。逆のすぐそばにお店があったなんて。

さっそく予約しておき、伺いました。お店が遅くまで(日曜日を除いて25時まで)営業していらっしゃるのは助かります。コンサート終了後となるとどうしても食事のスタートが21時30分ごろになりますから。

カウンターとテーブルが1つ。十人ちょっとで一杯になる小さなお店ですが、カウンターは奥行きがあり、狭さを感じさせません。

グラスワインの品揃えが見事


こちらがワインのリスト!

全部グラスでいただけます

ソムリエバッジをつけていらっしゃる女性からメニューの説明を受けます。

グラスワインが12種類。調べた通り!これにまず嬉しくなる我々。ボトルで頼むのもいいけれど、いろいろな料理を味わうのに1本だとなかなかの冒険。料理にあわせてグラスでワインを変えることが出来れば一番楽しいではないですか!

見てみると、様々なブドウの品種があり、白が4種類、ロゼ1種類、赤が5種類、そしてスパークリングが2種類あるのですが、そのうちの一つはシャンパーニュ。しかもシャンパーニュとしてはお手頃な値段。お店のオススメでもあるようです。

うん、まずはこちらで乾杯しよう!

料理はもちろん本格的


アミューズがまた見事!
写真は3度目に訪れた時の玉葱のフラン
これだけで何杯もワインが進みそう!

最初に訪れた時には黒板でしたが、2度目に訪れた時からは紙に印刷されたメニューにその日のオススメ料理が表示されるようになりました。

この日は前菜が4種類。さらに、スープ、お魚、お肉、デザートなどのオススメが書かれています。

ちなみに前菜では「スミイカと春野菜、フェンネルの温製(1630円)」が気になります。

また、通常のメニューを開いてみると前菜が7種類、メインがお魚一種類、お肉が5種類記されています。

最近、年齢と共に食事の量が少なくなってきている我々、お店の方に尋ねてみました。

「我々くらいの年齢だとどのくらいの量が良いでしょうか?」

「前菜2~3種、メイン1種でご満足されるかもしれませんね」

とのアドバイス。

では、それに従っていきましょう!

というわけで、前菜はさきほど気になった温製に加えて「鴨肉とフォアグラのパテ(1430円)」を。そしてメイン、何にしよう……。お魚も良いけど、今日はお肉がいいかなぁ。「岩中豚のロースト(2680円)」にしよう!

さらにワインは料理にあわせてグラスでいただくことにしました。

きびきびと動くシェフと見事な仕上がり


「鴨肉とフォアグラのパテ」!
二人それぞれに切り分けていただきました

料理を待つ間、シャンパンを飲みながらカウンター奥の厨房を見ているのですが、男性のシェフ、アシスタントはおらずお一人で頑張ってらっしゃいます。とにかく動きが素早く、全く無駄がない様子が見て取れます。常に全力で疾走していらっしゃる感じですが、実に見飽きません。いや、見事と言ってもいいくらい!そこにタイミング良くソムリエールが時々お手伝いを。

完全にお二人だけで回していらっしゃるんですね。

やがて前菜が出てきます。「鴨肉とフォアグラのパテ」。

大きいのではじめから二人分にわけてくださったということですが、半分でも十分大きい!

そして、綺麗な色合いです。丁寧に作られているなあ……と感じます。

うん。我々好みの味!美味しすぎて、二人とも言葉が出ません。

旬の素材も見事にアレンジ


しばし料理に見とれます

次の前菜。「スミイカと春野菜、フェンネルの温製」は出てきた瞬間にその見事な色合いと盛り付けに目が惹きつけられます。

もともとスミイカは白ですし、フェンネルの根も白ですが、そこに春菊が緑のアクセントを加えています。そして盛り付けが実に綺麗!

シェフ、かなり繊細な感性をお持ちの方だとお見受けします。見た目にもおいしい!

そして味は間違いない!春菊の苦みがうまく油となじみ、実に上品で美味。こちらも何杯もおかわりしたい!

他のメニューを見ても旬の素材をできるだけ生かそうとしていらっしゃることがわかります。素敵だなぁ……。

ワインと抜群の相性であるワケは?


素晴らしい火入れの「岩中豚のロースト」!

それにしても、これは白ワインが進みます!シェフ、きっとワインもお好きだろうな……と想像しながらシェフを見ると、胸元にはソムリエバッジが!やっぱり!!

ワイン好きが作る料理に間違いはありません。

そうそう、ワインにはビオも入っていますが、幅広いセレクション。実は後日、同じ池袋で別のフレンチのお店を訪れた際、そちらのソムリエさんが「Plumier」さんのワインのセレクションが実に見事だとホメていらっしゃいました。ソムリエールさん、日頃から熱心に研究していらっしゃるようです。専門家の間でも高評価なのですね。

そしていよいよメインの登場。

豚のローストは我々の大好きな料理。こちらもお店によって個性が様々に出る品です。そしてイタリアンと違いフレンチなのでソースが楽しめます!しっかりとソースを味わうと、ああ、自家製パンもおかわりが欲しくなるぅ!

そして合わせたワインはブルーゴーニュの白。

やわらかい豚肉の味わいもクセがなく素晴らしく仕上がっています。

分量、確かに二人で十分に満足でした。

水を頻繁に勧めてくれるのもありがたい


常にグラスには水を満たしてもらえます

これがありがたい!

実はこちらのお店でもう一つ、とてもありがたかったことがあります。ワインとともにお水を出してくださるのですが、減っていると見るとすぐに注いで下さるのです。最近、お酒に弱くなってきた我々。お水をできるだけ沢山飲むことで、酔いを押さえることが出来ます。お店によってはお水をおかわりするのがはばかられたりすることもありますが、こちらではその心配がありません。おかげで普段はあまりお酒を飲まず、また弱いKAY1も、最後まで顔が赤くならないでワインを楽しむことが出来ました。これは本当に珍しいことです。KAY1、とても喜んでいました。

店名の由来


後日、こちらの素敵なスズキのポワレを堪能!

実は最初に「プルミエ」という名前をカタカナで聞いたときに、フランス語の「Premier」から来ているのかな?そういえばワインで「Premier Cru」があるよね。さすがワインにこだわるお店!と感心したのですが、お店でショップカードを頂くと「Plumier」とありました。あれ?と、調べてみるとフランス語で「筆入れ、筆箱」という意味。はて?なぜ?お店の形?などと勝手に色々と想像を巡らせたのですが、なんとネットで由来発見!(こちらの記事

我々の想像、「当たらずとも遠からず」だったのですが、なによりもお二人のお人柄が伺えてとても興味深い記事でした!

また、シェフの川上さん、とっても文章がお上手なのもわかります。(^^)

真剣勝負のシェフが作る料理の素晴らしさに感激


別の日にはこんな見事な

ホワイトアスパラガスを!

とにかく3時間の滞在時間中、前述のようにシェフは美しいくらいに見事な動きで料理を作り続けていらっしゃいます。もの凄く働き者のシェフ。そしてその料理は妥協がなく、繊細で見事な盛り付けと共に、素晴らしい味わい。

そしてソムリエールのサーブも、決して飾らず、細やかな気配りがあり、素晴らしいと思いました。

そう、最強のお二人のコンビネーションが作り出す最高の時間。

コンサートの後、素晴らしい食事の時間を堪能でき、すぐ近くのホテルへと、胃も心も満ち足りて、大満足で歩いて帰って行きました。

そうそう、我々が滞在中も、お一人のお客さんがけっこういらっしゃったのが印象的。ワンちゃんの散歩ついでに……と、外のテラスでワインを飲む方も。地元にも密着、愛されているお店だと感じました。

これからも通ってしまう予感……と書いていたら、ほどなく、2回目、そして3回目の訪問に……。

かつて我々が通い詰めた「シラノ・ド・ベルジュラック」に匹敵する名店発見という気がします。

良いお店はやっぱり良いのです!

 

最初の訪問で我々が頂いたグラスのシャンパーニュはこちらでした!