2つの国の伝統がピッタリとマリアージュ ~ アルザスのワインと国技館の焼き鳥
日本の国技と言われる相撲。そのメッカとも言える国技館には焼き鳥工場がある……、というのはよく知られた事実ですよね。
相撲観戦をするお客さんのために、国技館の地下で焼かれた焼き鳥。
冷めても美味しく、たれも垂れない工夫がなされています。
観戦中に食べるも良し、お土産にするにも良し。今や伝統の国技である相撲と並ぶ国技館の「新たな伝統」となりました。
その焼き鳥がいつの頃からかJRの駅弁売り場に登場するようになっています。「肉」3本に「つくね」2本が入って700円。
新宿駅構内の駅弁ショップ「頂」で時折買って帰り自宅で、相撲観戦ならぬ、TV番組を見ながら頬張るKAYSです(以前、こちらにも少し書きました)。
ところで、我が家では毎週金曜日はワインを飲む日(昔、某CMにありましたねぇ!)。そしてそれに合わせた総菜を用意します。
この日、ワインはフランス、アルザス地方の「ジョンティ」を選びます。ヒューゲルという生産者が作っているワイン。
実は「ジャンティ(ジョンティ)」という名称はアルザス地方での伝統的なアサンブラージュ(いくつかの種類のぶどうを合わせます)をほどこしたワインのことを指します。しかも以前は同じ区画の畑でその異なるぶどうをまとめて育てていたそうです。近年になって規定は変わりましたが、その伝統的なワインが注目を集めているようです。
ヒューゲルが出している「ジョンティ」はその伝統に回帰したワインということで人気のもの。このワインではゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ、ミュスカ、シルヴァーナーという4種類のぶどうを使っています。香りが実に豊かで華やかなこのワインは、白ワインですが肉料理などにもしっかりと対応しますし、中華料理などもよく合うことでも知られています。
この日、確かに中華系の総菜も用意したのですが、まず、前述の国技館の「やきとり」をいただく事にしました。
この焼き鳥、ホントに独特の美味しさがあります。タレの味付けが実に優しく、何十本でも食べられそうな感覚です。
一体、どんな調合になっているのか知りたいところですが、原材料を見ても、特別なことはなく…。きっと何か工夫がこらされているに違いありません。ちなみに小説家の二宮敦人さんが取材して「Smart FLASH」に書かれた興味深い記事があります(こちら)。それによるとたれに6回つけるなど、いろいろな工夫がこらされているそうです。が、やはりたれ(これだけ外部発注)の調合は企業ヒミツ。でも、シンプルな原料で作られているそうです。
そして、その記事の中でも、この焼き鳥は国技館の方の「うちの焼き鳥」という言葉とともに「伝統」という言葉で表現されています。
さぁ、食べましょ!
まず「肉」の串を一口。
うん。これこれ。記事によれば、モモとムネが交互に刺してあるそうで、1本で異なる味わいが楽しめるようになっています。
そして、「つくね」串!
これが、なかなかの逸品!
原材料には書いていないのですが、柚子に似た良い香りがするのです。そして歯ごたえも楽しめる、まさにつくねの横綱!
そこに流し込むジョンティ。
あっ!
このワイン、さらに美味しくなった!!ワインの香りが今まで以上に口の中に広がっていきます。これは極楽!!
さらに……。
あ、つくねがより美味しくなった!!
そうなんです。先ほどのゆずの様な香りがさらに強く立ち上り、まるで、柚子畑に立っているかのよう!背後に土佐高知の透き通るような青空と眩しいばかりの緑の木々が見えるような気が……(オマエは神咲雫か!と突っ込まれそうですが)。
料理とワインの両方がその魅力を増す、まさにペアリング(マリアージュ)の王道ですよね。
伝統と伝統ががっぷり四つに組んだら、その結果、見事な合わせ技に。
これはめったにない体験でした。
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