あのSONYの名機を思わせるデザインのラジオ ~ QODOSEN DX-286はなかなかの感度だった!

2025年6月25日





かつてのあの名機を思わせるデザイン!

デザインの驚き~これはパクリかオマージュか!?

このラジオ、「QODOSEN DX-286」、初めてネットで見た時の衝撃は忘れられません。。

え?SONYのあの名機、ICF-SW1が復活!?

そうなんですよ。あのSONYのカセットケースサイズの名ラジオ、ICF-SW1にそっくり!

いや、良く見れば細部はかなり違うんですが、デザインの一部が似ている!これはパクリというより一種のオマージュでしょうか。

というわけで気になっていたラジオ。お値段はネットのECショップなどでは1万円台前半の価格で売られています。


最近はこうしたケースが流行りですが

SONYのICF-SW1もうそうでしたね!

購入のきっかけとなったラジオマニア2024の記事

この1年間、ずっとこの製品が気になっていました。そして、三才ブックスの「ラジオマニア2024」で取り上げられたことでいよいよ気持ちが傾きます。

というのも、このラジオのウリ、実はポータブルラジオとしては珍しく「TEF6686」というパワーを食うけれども高感度のカーオーディオ用のICを使っているとうことらしいのです。それがBCLラジオに搭載ということで、記事執筆者の渡辺タケシさんがくわしく解説をしていらっしゃいます。

さらに実際の使用感を他の機種と比べていらっしゃいますが、短波、中波、FMともに感度良く、そして雑音なども少ないようです。さらに、複雑な設定などの早見表も作成されていてとても役に立ちます。渡辺さんに感謝です!特にこの機種を購入されるかたはぜひこの記事を読んでみてください!

購入してみた ~ 問題のバッテリーは付属していた!


このようにあらかじめセットされており

左側の絶縁シートを取り出せば使えます

で、某ECサイトでポチります。実はこの機種は当初電源であるリチウム電池が付属しないということがレビューで多くの方から不満としてあげられていました。別途購入しなければならならず、それもどの電池にしてよいかわからないなどの声もあったのですが、現在は変更され、ラジオにセットされています。某ECサイトの説明にもはっきりと付属品として明記されています。その分、以前よりも価格が少し上がっているようです(以前は1万円を切る価格で売られている場合もあったようです)。

本体の質感はちょっと残念

大きさは想像したよりは大きめになります。ICF-SW1 よりも一回り大きく、我々の世代で言えばベータのビデオテープをひとまわり小型にしたような、そんな印象です。そして、プラスチックの質感、印字などにややチープさを感じます。昔キットで売っていたラジオのような、そんな質感。このあたりは、価格を考えれば仕方ない部分かもしれません。とはいえ、底面部にはちゃんとゴム足が着けられていたり、そういう配慮はちゃんとあります。

音質はこのサイズとしては良いのでは?

最近の中国製ラジオの特徴でもあるのですが、小さい筐体の割にかなり大きな音が出ます。やや高音を押さえた音ですが、明瞭度が非常に高く、朗々と鳴ります。これはこのラジオの好ましいポイントです。ただ、ヘッドホンなどで聞きますと、もう少し上のランクの価格帯のラジオにはやや劣る印象はあります。FM放送などでは繊細さには欠ける音質です。


箱から取り出したところ

奥に見える白い袋は活性炭!

中波(AM)と短波(SW)の感度は良い

肝心の感度ですが、TECSUNの上位機種、PL-990xと比較してみました。価格帯からすれば全然比較にならないと思いきや(PL-990xは価格にして4倍、4万円前後で売られています)、これが善戦します。

まず短波。15MHz帯を午後、ロッドアンテナだけで受信してみたのですが、PL-990xで受信できる局はすべてこのDX286で受信できました。dbで見る感度はさすがにPL-990xの方が上ですが、聞きやすさでいえば、意外と善戦しています。小さいのにたいした奴です!

続いてAM放送を受信してみました。すると、デシベル表示は大部分においてDX-286が大きく、実際、耳で聞いても、DX-286が良好に聞こえます。ただし、PL-990xでは出なかった混変調が幾つかの周波数では出ていました。このあたりは価格なりの結果です。

また、アンテナ端子があるので、例えばAMではTECSUNのループアンテナ「AN-200」を接続して利用できたりもします。これはとても便利で、屋内で生活ノイズの多い環境で本体だけでは受信が難しい局もなんとか受信できるようになります。

FMの感度は評判通りかなり良い

そしてFM。上記の記事によるとかなり期待が持てそうです。そして我が家のベランダで実際に受信してみると……。

PL-990xで受信できたFMの数は全部で35局。対するDX-286は39局。

つまり、4局多く聞こえたことになります!さらに言えば、その中でステレオで受信できた放送はPL-990xが23局に対してDX-286は34局。圧倒的に強いのです。FMを聞く場合で感度を求められる方(FMの中・遠距離受信など)にはこのDX-286の方がベターといういうことになるかもしれません。

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液晶画面の視認性が良い

筐体は小さいながら、液晶画面は非常に見やすくできています。さらに、バックライトがとても明るくて輝度が高く、老眼の入った私の場合、とても助かります。PL-990xはバックライトをオンにしてもさほど見えやすさは変わりませんでしたので、これは嬉しいですね!

操作性はやはり難あり

このサイズに多くの機能を詰め込んでいるので仕方ない部分があります。二つのボタンを同時に押したり、長押しがあったり……。この辺は前述のラジオライフの記事で執筆者の渡辺さんがまとめて一覧にしていらっしゃるので、参考になります!

型番について

この機種は当初SR-286として売り出され、その後、海外版としてDX-286が出たという経緯で2つの型番があるようです。現在はアマゾンなどで購入する場合、SR-286は出てきませんので、自然とDX-286の購入となるでしょう。

結論 ~ 買って損はないラジオ!

結論ですが、この値段でこの性能であれば、買って損はないラジオだと言えます。もはや日本のラジオ生産が総崩れ的な状況の中、次から次へと魅力的なラジオを生み出してくる台湾&中国メーカーの商品企画力と技術はあなどれなくなってきました。

かつてソニーやパナソニックが我々をワクワクさせてくれた時代がありました。今、それと似たようなワクワク感が出てきたような気もします。

以下、参考までに我が家での受信比較を挙げておきますね。ただし、dBμ計の値については常に変動していますので、ある瞬間のものですので、大まかな参考程度にお考え下さい。しかもDX-286の場合は頻繁に大きく変動する特徴があります。(2025年6月23日午後2時台の調査~東京都調布市)

FM放送受信状況

スマホでご覧の場合、表の右が一部表示されない場合があります。
スマホを横にしてご覧になることをオススメします。
略例:ST~ステレオ、MONO~モノラル

周波数
(MHz)
局名(送信地) dBμ
(DX-286)
S/N
(DX-286)
MODE
(DX-286)
dBμ
(PL-990x)
S/N
(PL-990x)
MODE
(PL-990x)
76.5 InterFM897(横浜) 20 46 ST 10 09 MONO
76.7 いちはらFM(市原) 10 41 ST 01 01 MONO
78.0 bay fm(千葉) 41 46 ST 20 20 ST
78.2 むさしのFM(武蔵野) 17 45 ST 06 07 MONO
78.6 FM-FUJI(三ツ峠) 30 45 ST 25 20 ST
79.1 かわさきFM(川崎) 12 40 ST 01 01 M
79.5 NACK5(さいたま) 45 47 ST 35 22 ST
80.0 TOKYO FM(東京) 73 62 ST 61 35 ST
80.3 NHKーFM(宇都宮) 13 42 MONO × × ×
80.7 NHK-FM(千葉) 40 47 ST 33 29 ST
81.3 J-WAVE(東京) 67 62 ST 51 39 ST
81.9 NHKーFM(横浜) 27 45 ST 18 12 ST
82.5 NHK-FM(東京) 66 63 ST 52 28 ST
82.8 混変調? 03 10 MONO × × ×
83.2 NHK-FM(水戸) 31 45 ST 19 17 ST
83.4 FM SETAGAYA(世田谷) 53 48 ST 38 36 ST
83.8 調布FM(調布) 37 46 ST 27 22 ST
84.2 FM西東京(西東京) 13 42 ST 04 03 MONO
84.3 FMえどがわ(江戸川) 16 43 MONO × × ×
84.7 FMヨコハマ(横浜) 52 40 ST 38 28 ST
85.1 MHK-FM(さいたま) 32 46 ST 21 21 ST
85.7 コマラジ(狛江) 20 46 ST 10 11 ST
86.0 NHK-FM(三ツ峠) 24 46 ST 08 08 MONO
86.6 TOKYO FM(東京) 46 46 ST 28 12 ST
86.8 こしがやエフエム(越谷) 18 46 ST 07 08 MONO
87.0 FMヨコハマ(横浜) 12 40 MONO 07 07 MONO
87.6 渋谷のラジオ(渋谷) 24 45 ST 06 08 MONO
88.1 LuckyFM茨城放送(つくば) 15 43 ST 04 03 MONO
88.3 J-WAVE(港) 49 46 ST 33 32 ST
88.5 レインボータウンFM(江戸川) 10 41 ST × × ×
88.9 FMしながわ(品川) 24 46 ST 13 10 ST
89.7 InterFM897(東京) 60 60 ST 45 30 ST
90.5 TBSラジオ(墨田) 77 62 ST 52 42 ST
90.9 YBSラジオ(三ツ峠) 27 45 ST 10 05 MONO
91.6 文化放送(墨田) 78 63 ST 50 30 ST
92.4 ラジオ日本(鶴見) 52 48 ST 32 21 ST
93.0 ニッポン放送(墨田) 80 63 ST 57 42 ST
94.1 栃木放送(宇都宮) 15 40 MONO × × ×
94.6 LuckyFM茨城放送(水戸) 40 47 ST 28 28 ST

AM(中波)放送受信状況(14:30JST)

周波数
(kHz)
局名(送信地) dBμ
(DX-286)
S/N
(DX-286)
dBμ
(PL-990x)
S/N
(PL-990x)
594 NHK第1放送(菖蒲久喜) 58 60 50 12
693 NHK第2放送(菖蒲久喜) 55 60 52 25
810 AFN(和光) 62 61 54 25
954 TBSラジオ(東京) 57 60 53 25
1062 栃木放送(足利) 20 25 23 05
1134 文化放送(川口) 40 44 36 25
1161 NHK第1放送(熱海) 19 23 23 10
1197 LuckyFM茨城放送(水戸) 23 26 24 08
1242 ニッポン放送(木更津) 45 50 47 25
1422 ラジオ日本(川崎) 43 48 46 25
1530 栃木放送(宇都宮) 23 27 18 01

SW(短波)放送受信状況(15mbのみ調査~15:00JST)

周波数
(kHz)
局名(推定) dBμ
(DX-286)
S/N
(DX-286)
dBμ
(PL-990x)
S/N
(PL-990x)
15000 NTSC 08 10 20 10
15160 CRI 35 35 54 25
15180 V.O.KOREA 10 15 30 10
15270 CNR2 15 20 25 07
15370 CNR1 10 15 24 12
15380 CNR1 20 30 27 10
15480 CNR1 25 30 30 10
15540 CNR2 03 06 20 10
15570 CNR11 08 14 14 01
15710 CNR6 10 20 34 10
15800 TWR 16 22 30 20

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