緊急時こそ、不安な時にこそ、音質の良いラジオを聴くということの重要性
ご覧のように手のひらに乗るサイズなのに
低音が響き、音質はきわめて良いのです
先日書いた話(こちら)の続きなのですが、福島県沖で起きた地震の直後、我が家も停電となりました。
そのとき、情報を得ようとまずラジオを付けました。最初はベッドサイドに置いてあったSONYの短波付きのラジオ「ICF-SW11」です。こうした緊急時に備えて置いていたもので、普段はスイッチを入れることはあまりありません。しかし、しばらく聞いていて、なんとなく落ち着かなくなってきます。いや、伝えられる内容もそうですが、それ以上に、なぜかラジオから流れてくる音そのものに、なにかしら普段とは異なる雰囲気から緊張感を抱いてしまうんです。
ふと、気付きました。これって音質のせい?
そこで、居間に置いてあったSangeanの小型ラジオ「WR-301」を持ってきます。これ、以前このブログでも記事を書きましたが(こちら)、見た目はミニチュアのホームラジオ。しかし、木のキャビネットでできて、しかも裏面には低音を響かせるためのパッシブラジエーターまでついているという実は隠れた高音質派のラジオなんです(AMは受信できませんがFMはFM補完放送も含めて受信できます)。
小型で、USBによる充電バッテリー駆動なので、持ち運びも簡単。家のどこでも聞ける便利なラジオです。
こちらをベッドサイドに持ってきて、切り替えたとたん、安堵します。
気持ちがすごく落ち着く!
そうなんです。誰もが不安な大きな地震と津波注意報、そして停電。
心がざわざわしているんです。そんなとき、ラジオからはNHKのアナウンサーの落ち着いた声が聞こえてくるのですが、先ほどのラジオでは音が薄く、ややカサカサな感じに聞こえてしまい、こんな時にはむしろ不安感が増してしまうんです。
ところが、こちらの低音を効かせた、柔らかく、そして人肌の温もりをも感じさせるツヤのある音声で聞くと、いままでのざわざわ感がウソのように消えていきます。
こんな効果があったなんて!
もちろん、前述の「ICF-SW11」は感度のとても良いラジオです。評判も悪くありません。
ただ、1980年代以降の特徴ですが、日本のラジオは高音域が伸びて、人のトークがわかりやすく聞こえるのですが、反面、音に薄さを感じるという傾向がありました。それに対して欧米で売られているラジオはやはり音声にツヤを求めているような気がします。このSangean は長らくヨーロッパのメーカーのOEMでも知られていました。そうした市場に合った音作りをしているような気がします。
それが、こうした緊急時、不安なときに語りかけてくる音声が「温か」く聞こえるという、いままで気付かなかったメリットになったようです。これは驚きました。
「緊急時だからこそ、音の良いラジオで情報を聞きなさい…」
いまやこうした小型のポータブルラジオでも立派な音質のものがあるのですから。
新たな教訓でした。
<一口メモ>
このラジオは「WR-7WL」という型番の並行輸入品が国内でも出回っています。が、そちらはFM放送の帯域が88MHz以上となっているのでご注意下さい。FMが76MHzから受信できるのは「WR-301」です。
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